【現状維持は注意が必要】
珍しくテレビを観ていた時に、モッツァレラチーズの作り方が紹介されていました。モッツァレラチーズ作りはpH(酸性・アルカリ性の度合い)と温度、そして時間の3つをコントロールすることが重要だそうです。pHが変化すると味は変わるし、適度な固さにするには温度と時間を絶えず調整する必要があるようです。しかも難しいのは毎日同じ条件なわけではないところ。気温や湿度は毎日変わるため、チーズの状態を見ながら微調整し、毎日同じものが作れるようにしているとのことでした。
毎日同じものを作るために、作り方は毎日変えている。これはすごく大事なことで、どんな仕事にも当てはまります。もしも仕事の質を維持して同じ結果を出し続けようと思ったら、周りの変化に合わせてやり方を変える必要があります。周りが変化しているのに同じやり方を続けていたら、そこから生まれる結果は間違いなく「衰退」です。現状維持という言葉がありますが、やり方を現状維持すると結果は衰退します。結果を現状維持するためにはやり方を変え続けることが大事だと覚えておいてください。
4月からの新年度に向け、事業所ごとに目標が立てられている時期です。4月からも今年度と同じようなやり方で・・・ではなく、今までと同じように一人ひとりを大切にしていこう、そのためにやり方はこんな風に変えていこう・・・と考えるようにしてください。やり方を維持するのではなく、常に新しいやり方を試して続けて理念の実現を維持できるようにしましょう。
【違和感を無視しない】
バッタの習性についてこんな話を聞きました。
バッタを捕まえてケースに閉じ込め天井に透明な板で蓋をすると、閉じ込めたバッタは最初は蓋に気づかずジャンプして頭をぶつけます。それを繰り返しているうちに学習し、頭をぶつけることのない高さしかジャンプしなくなります。では天井の蓋を外すとどうなるか。バッタは蓋がないにも関わらず、蓋があった高さを超えるジャンプをすることがなくなるそうです。一度自分で能力や感覚を封じ込めてしまうと、条件が変わってもその力を発揮することができなくなってしまいます。
グループホーム合歓の丘のYさんが提出してくれたひやりハットの中で、ミスを繰り返さないための対策の1つとして「違和感を無視しない」と書いていました。違和感は、何かしっくりこない、はっきりは分からないけどいつもと何か違うと感じるもので、その「何か」を放置したことでミスや事故が起こったケースを経験した人は少ないないと思います。違和感を無視してしまうと、残念ながら違和感に気づく感度は落ちていきます。蓋の高さを超えられなくなったバッタと同じように、以前は気づけていた違和感に気づけなくなってしまいます。
では既に違和感を無視してきたために、感度が落ちてしまっている場合はどうすればいいのか。これもバッタの話がヒントになりそうです。蓋の高さ以上に飛べなくなったバッタには、他のバッタを近くに置いて高く飛べるところを見せてあげるといいそうです。そうすると自分も飛べる!と言わんばかりに再び高く飛び始めるようです。違和感の感度が落ちたと思った人は、感度が高いと思う人の判断や行動を見てください。他の人が書いたひやりハットを読んで自分とは違う気づきのポイントを知ることも有効です。自分の違和感を大切にして、利用者さん、子どもたちと向き合ってください。
【デジタル化の目的】
業務のデジタル化は少しずつでも進めていきます。デジタル化とは、アナログでやっている業務をデジタル技術を活用することで変えていくことです。デジタル化の目的は、業務の効率化によって職員のみなさんの働きやすさを実現すること、利用者情報を効果的に支援につなげて利用者の生活の安心感、家族の満足を実現することです。さらには、デジタル化されたものに慣れ親しんでいる若い人に働きたいと思ってもらえる職場になるためにも、デジタルツールの導入は欠かせません。苦手な人もいるのは分かりますが、花の村がこれからも地域に貢献し続けていくためには、避けて通れないことであるのは間違いありません。少しずつ、できるところから変えていこうと思います。みんなでデジタル化に慣れていきましょう。
理事長 相山慈