【船頭はたくさんいた方がいい】
デイサービスセンターの業務に音声入力を取り入れたいと相談がありました。現在は利用者さんの情報を手書きで記録し、それをPCで介護ソフト内に入力し直す作業を行っているんですが、それらの作業を音声入力を使う方法に切り替えたいというものです。このようなことは既に取り入れている事業所はたくさんあると思うんですが、花の村ではまだまだこれからの段階です。別の言い方をすると、伸びしろだらけということになります。新しいやり方を取り入れるたびに業務が大きく変わっていくのを実感できるはずです。
別の話ですが、もりハウスに行く当番だったケアマネージャーのMさんが他の用事が発生したため行けなくなったことがあり、その様子を見たヘルパーステーションのMさんが「少しの間なら自分が代わりに行くことができるけど行ってもいいだろうか?」と申し出てくれたことがありました。事業所を超えてサポートする提案がすぐに出てくる光景は花の村ではよく見かけるんですが、これはすごいことだと思っています。
これらの相談や提案は、花の村がこだわっていきたい「ひとりを大切にする」につながっていくものです。音声入力を取り入れることで業務時間を短縮することができれば、その時間を利用者さんと向き合うことに使うことが可能になります。もりハウスの当番が途切れることなく行われることで、入居者の支援は行いやすくなります。花の村が目指すものを実現するための意見をいろんな人が出してくれているのは、すごくありがたいことです。
「船頭多くして船山に上る」ということわざがありますが、ここでいう船頭は自分の意見を強引に押し通そうとする人のことです。目的を達成するためには何が最も有効かを考えて意見を出したり行動したりする人、目的達成のためには自分の意見に固執することがない人こそが本来の船頭で、そんな船頭ならたくさんいても船が山を登ることはないはずです。「ひとりを大切にする」「事業を通じて地域を活性化する」この目的を達成するために積極的に意見を出し、何が有効かを考えてくれる人が花の村にはたくさんいると思っています。そのような組織のあり方は今後も維持していきたいので、みなさんも船頭の役割を意識してみてください。
【感謝の気持ちを詳しく伝える】
あさりこども園で行われた成長展で、ある保護者が職員にこんなことを話してくれていました。「今日はありがとうございました。自分の子どもに対するメッセージだけでなく他の子に対するメッセージも読ませてもらったんですが、こんな風に子どもたちを見てくれていたんだとその思いが伝わってきて、すごく嬉しくなりました。本当にありがとうございました。」
成長展では子ども一人ひとりに対して「こんな力をつけました、こんなに成長しました」と職員からのメッセージを書いて貼り出しているんですが、その保護者は全員へのメッセージを読んでくれただけでなく、その感想をわざわざ伝えてくれました。それを聞いていて、こうやって私たちの思いを受け取ってくれることも、その思いを丁寧に言葉にして伝えてくれていることも、すごくありがたいことだと思いました。
感謝の言葉は、それを受けた人だけでなく聞いているだけの周りの人も温かい気持ちにしてくれます。さらに何にどう感謝しているのかを詳しく話してもらえると、より温かい気持ちになります。この保護者の話を聞きながら、感謝の気持ちはできるだけ詳しく伝えた方がいいと、すごく当たり前のことを再確認できました。お礼を言わずに流してしまっていることはないか、「ありがとう」とは言っているけど何回かに一回でも「◯◯をしてくれて嬉しかった、ありがとう」まで言えているかどうか、時々点検してみるのもいいかもしれません。
【フリースクールの話】
花の村では要望があれば不登校の生徒の受け入れ(乳幼児や高齢者との交流として)を行ってきました。特別なプログラムは用意しておらず、生活の流れに入ってもらって交流や手伝いをしてもらう受け入れ方です。このたび、その取り組みに「こうとうキャンパス」と名前をつけ、いわゆるフリースクール化することにしました。花の村の施設で受け入れるだけでなく、江東地区にある資源をフル活用し、学校以外の学びの場、体験の場を増やしていくことを目指します。まだ決めなければいけないことがたくさんある段階ではありますが、やりながら形を整えていく予定です。子どもにはもっと選択肢が必要であることを、花の村のみなさんはもちろん、地域の人にも理解を深めてもらえるような取り組みにしていくつもりなので、まずは関心を持ってもらい、何かアイデアがあれば積極的に声を届けてください。
理事長 相山慈