【性教育の取り組みが始まります】
こども園と放課後児童クラブで性教育の取り組みを進めていく話が出ています。どのような取り組みになるかはまだ決まっていませんが、子どもだけでなく職員の理解も一緒に深めていく取り組みになると思います。時代によって求められる性教育は変わっていくため、私たちが知っている性教育と今求められている性教育の内容は違っているはずです。どのようなことが今は求められているのか、どう変わっているのかを、私たちは知っておいた方がいいと思っています。
性教育は身体の教育です。自分の身体のことは自分が一番知っておかないといけないのは当たり前のことで、関心を持って質問してきたらそのタイミングを逃さず話すことが大事だと、専門家から教わりました。小学生や中学生から始めるものだと決めてしまうのではなく、幼児期でも関心を持った段階で教えていく、啐啄同時(そったくどうじ:鳥の雛が卵から産まれ出ようと殻の中から卵の殻をつついて音をたてた時、それを聞きつけた親鳥がすかさず外からついばんで殻を破る手助けをすること)の考え方が大事だということです。
もう一つ大切な点があります。性(身体)の大切さを考えることは、個人・人権を尊重することの大切さを考えることでもあります。子どもも大人と同じように人権を尊重されなければいけないというのは当たり前のことで、そのことを再確認する貴重な機会になるはずです。子どもの人権については、日本の常識は世界のそれから2、3周遅れている、大人なら間違いなくNGなことでも子どもだとなぜか問題にされないことが多いと言われています。例えば乳児健診でみんなのいるところで肌着で寝かされ裸もさせられることなんかも、これが大人ならどうかと考えるのが世界の常識だそうです。これから行われる性教育の取り組みをきっかけに、子どもの人権についても考えを深めていくきっかけになることを期待しています。
【魚の釣り方】
教育のあり方を語るときによく使われる啐啄同時のことを書いたので、違う話になりますが、もう1つ教育に関する言葉を書いておきます。「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という言葉です。魚を与える方が、釣り方を教えるよりはるかに簡単です。でも相手のことを考えると、釣り方を教えていかないといつまで経っても魚をくれる人に依存し続けることになります。何を教えることが相手のためなのかを考えさせられる言葉で、時々思い出しては自身の行動を振り返っています。
新人職員が多く入ってくる職場ではないので新人教育の機会は多くありませんが、それでも職員の育成・教育は常に行われています。また、こども園や放課後児童クラブでは子どもの主体的な学びや活動を促すことを目指しています。釣り方を教えるべき場面で魚を与えてしまっていないか、一人ひとりに合った釣り方を教えることができているか、そんなことをそれぞれで点検してみてください。
【一緒に地域を盛り上げてほしい】
先日、中村市長に新年度のあいさつと花の村が今後取り組んでいくことについて話をしに行ってきました。その時に市長が東部地区に対する思いを熱く語られました。次のような内容です。「江津市東部にはさんぴこ、菰沢公園、工業団地、豊かな山や海などの自然、広大な農地などの豊かな資源がたくさんあるので、それらを活かして地域をより強くしていきたい。そのために当然市としてもリソースを投入していくが、市だけが動くのではなく、地域の人も一緒になって地域を盛り上げてもらいたい。」
花の村は地域の活性化を目指す事業所として、市長の思いには応えていきたいと思っています。私たちが行っている福祉の仕事は、地域で暮らす人々の生活を支え、より良いものにしていく仕事です。安心して楽しく生活できる地域にしていくことに力を注ぎ、地域を盛り上げることにつなげることを目指しています。先月も書いたフリースクールの取り組みを通して子どもの教育支援の新たな形も作っていくことも、そのための取り組みです。様々な面から地域を支えていくことができるのが多様な事業を行っている花の村の強みなので、積極的に地域に関わっていきましょう。
理事長 相山慈