【初動の早さが大事】
ある理事から「私のところにある事業所に対する苦情が届いている」と連絡がありました。それが午前中のこと。事務長が管理者へ連絡し、管理者と職員で事実確認をして対策を立て、その内容を夕方に理事へ連絡してくれました。苦情の内容はここでは書きません。書きたいのは対応のために動くタイミングの早さについてです。
後日その理事のところにお詫びと伝えてくれたお礼を伝えに伺ったんですが、「すぐに対応してくれただけでなく、その日のうちに報告までしてくれた、その早さが嬉しかった」と話されました。改めなければいけないことが起きたとき、どんな対応をとるかはもちろん大切なことなんですが、どんな早さで相手に対応するかもとても大切だと考えています。
こちらが苦情をどう受け止めたかは、その対応の早さによって相手への伝わり方が変わります。対応が早いと「しっかり考えてくれている」、対応が遅いと「ちゃんと考えてもらっていないのでは・・・」と伝わってしまいます。実際はしっかり対策を立てて改善したとしても、相手への連絡が遅くなるとそれだけでマイナスになってしまうことは、みなさんも経験して知っていると思います。もし対応や改善に取りかかるのに時間がかかるのであれば、「遅くなります」とすぐに伝えればいいだけです。それだけで印象はかなり変わります。
苦情対応に限らず、最初に動く早さが重要なのは他の仕事も同じです。例えば仕事を頼まれたとき、頼まれた内容を一番鮮明に覚えているのは頼まれた直後なので、すぐに取りかかって6,7割くらいまでやってしまう。先延ばしにすると何を頼まれたかを思い出すところから始めないといけないので、余計に時間がかかってしまいます。研修報告をまとめるときも、受けた直後が内容を一番よく覚えているので、そのタイミングでも取りかかると早く終わらせることができます。しばらくしてから書くよりも、はるかに短い時間で書くことができます。
苦情対応に限らず仕事をする上では、動くタイミングの早さは大事です。仕事を進める速さももちろんですが、いつ動き始めるかの早さ、レスポンスの早さも意識するようにしてください。何事も初動の早さが大事です。
【働く意味を見出せるか】
花の村の職員にインタビューをして記事にしてくれる県大生が7月から活動してくれていましたが、その活動がほぼ終わり、先日活動報告会が開かれました。そこで学生さんが、花の村で話を聞く前と聞いた後で考え方が変わったと話していました。
最初の印象は「大変そう」「あまり興味がない」「辛い仕事」「どこの法人も変わらないのでは」だったそうですが、次のことに気づいたそうです。
・職員さんの仲が良く、雰囲気が良い
・職員さんが自分の意見を持ち、行動に移せる
・笑顔がある、生き生きと働いている
・親身になって話を聞いてくれる環境
・失敗をとがめず次に生かす仕組みがある
いろんなことに気づき、自分の仕事を探す際は「自分がそこで働く意味を見出せる」かを大事にしようと、大きく考え方が変わったそうです。学生を受け入れお世話をする役割を担ってくれたTさんを始め、インタビューに協力してくれた人たちは大変だったと思いますが、このような気づきにつながる関わりを持てたことはとても意義の大きなことだと思います。若者たちの体験の場を提供することは、社会の中で私たちが果たすべき役割だと考えています。いい気づきがあったようで、うれしく思っています。
【VRを使った研修】
VRゴーグルをつけて仮想現実を疑似体験する研修に介護部門の職員が参加してくれています。高齢者の視点で救急医療を体験したり、介護職員の視点に立ち、実際に起きた看取りの事例を疑似体験して、「自分だったらどうするか」を考える内容だそうです。実体験をすることが難しい事例でも、VRを利用すると疑似体験が可能になります。研修報告を読んでいると気づきが多かったことが伝わってきました。他人の立場に立つのは難しいのですが、VRを使えばそれが効果的に体験できるため、他ではできない研修を作り出すことができているんでしょう。このVRの研修は看取りだけでなく、認知症、発達障害、がん、LGBT、異文化コミュニケーション、ワーキングマザー・ファーザー、育児・介護と仕事の両立など多様なプログラムがあるようです。関心のあるVR研修を受けられる機会があれば、ぜひ参加してみてください。
理事長 相山慈