
【おやつの時間の工夫】
職員の得意なことを発揮して、子どもたちの生活を豊かなものにする。高角放課後児童クラブではそんなことを目指し職員でアイデアを出し合った結果、寒い日に温かい飲み物を提供する取り組みが始まったと聞きました。このアイデアは支援員のFさんの提案だそうです。おもしろい取り組みだったので主任のSさんに話を聞いてみたところ、アイデアがもっともっと発展していくことも期待しているとのことでした。
Sさん曰く、「おやつの時間を充実させて終わりではなく、生活全体がもっとおもしろくなるような提案が出てくるようになってほしい。でも、まず自分のアイデアで子どもたちの姿が変わっていく小さな体験を積み重ねることも大事。今はおやつの時間のことだけでも、その経験を次のもっと大きな取り組みのアイデアにつなげていくようにしようと話をしています。」とのこと。今はアイデアを形にする体験を数多く経験してもらうことを重視しているようです。
【60%の状態で】
新人の成長を促すために、仕事の報告は「60%の状態で見せるように」と伝えている会社があるという話を聞きました。「途中でもいいから」といった曖昧な表現ではなく、「完成度60%」という具体的な数字を示して、新人の心理的なハードルを下げています。さらに、100%の完成形を求めると、出てきたものに対する評価は「良いか悪いか」だけになりがちです。でも60%の段階であれば、残りの40%をどう作っていくかを一緒に話し合うことができます。意見を交わしながら、新人の成長を促していくことができます。効果的な育成方法だと思います。
花の村でもその考えを参考にさせてもらいたいです。意見交換が進むのはいいですよね。もっとこうしたらいいんじゃないか、こんなアイデアも足してみてはどうかと意見を出し合い、事業所として進む方向を確認しながら事業を練り上げていく。新人だけでなく、ベテラン職員にとっても必要なことだと思います。100%のアイデアよりも60%のアイデアを求めた方が物事は早く進むはずで、それも良い点です。アイデアが早く形になれば、成功も失敗も数多く体験できることになります。それは学びが大きくなることでもあります。
今回は高角放課後児童クラブの例を取り上げましたが、他の事業所でも出てきたアイデアについてみんなで意見し合ったり、アイデアを少しでも早く、数多く形にして、成功や失敗から学びを得てもらいたいです。そのための一つの考え方として、「仕事やアイデアの報告は60%の状態で見せる」「早めに相談する」ことを意識してみてください。
【時代に合った人権感覚】
今年は昭和100年の節目の年ですが、そのタイミングで時代錯誤の人権感覚が未だに残っていることが明らかになってきています。昭和の時代に大きくなった会社で、当時の人権感覚をアップデートできていないところはどうやら少なくないようで、業績に関係なく会社の体質改善が求められることになるでしょう。こうした動きは他人事として捉えるのではなく、自分は大丈夫だろうか?と振り返る機会にすべきだと考えます。
花の村の仕事は人と向き合う仕事であるため、一人ひとりの人権を尊重することが大前提です。『ひとりを大切にする』は「人権の尊重を大前提とする」と同じ意味だと理解してください。自分の人権感覚が現代に合ったものになっているか、事業所として行っている『ひとりを大切にする』取り組みが現代の人権感覚に沿ったものになっているか、それぞれで点検をしてください。
人権の内容は変化し続けるものなので、勉強し続ける必要があります。変化する人権について考える機会が花の村にあるといいですね。研修委員会が定期的な学びの場を作ってくれることを期待しておきます。
もうすぐ二十四節気の「雨水(うすい)」になります。暖かい陽気になってきて雪や氷が解け雨水になる時期で、春の変化があちこちで見られるようになるはずです。そうはいってもまだ寒い日は続くので、体調を崩さないよう気をつけてください。