
【インターン生受け入れの意義】
2月19日からの3週間、インターン生のKさんが花の村での仕事を体験しました。対応してくださった事業所のみなさん、ありがとうございました。インターンシップとは、実際に仕事の現場を見学したり、業務を体験したり、職員から仕事のやりがいや大変さを聞いたりすることで、職業理解を深める機会です。Kさんにはまず花の村の全施設を見学してもらい、その後事業所での就業体験を行いました。今回の経験を通じて、福祉の仕事への関心が高まったようです。
合歓の丘でのヘルパー業務の同行時には、大きな驚きがあったようです。他人の家に上がって仕事をすること、限られた時間で料理や掃除をこなすこと、利用者さんの生活環境を細かく観察しながら支援を行うこと。こうした実務の細やかさに驚いたと話していました。また、どの事業所でも利用者さんや子どもたちへの声かけが非常に丁寧で、配慮が行き届いていたことも印象的だったそうです。「この声かけでよかったのか?もっと適切な伝え方があったのでは?」と、職員が日々振り返りを重ねながら仕事をしている姿に、専門性の高さを感じたと話していました。
インターンシップの受け入れは、未来の人材を育てる大切な取り組みです。Kさんも、最初から福祉の仕事に興味を持っていたわけではありません。たまたま私と話す機会があり、そこで花の村に関心を持ったことが、今回のインターンシップにつながりました。こうした偶然の出会いが、将来の選択肢を広げるきっかけになることも少なくありません。
現在、福祉業界では人材不足が深刻化し、福祉の仕事を目指す人が大幅に減少していると言われています。そんな中、若い世代に福祉の仕事を知ってもらうことは、私たちが積極的に取り組むべき課題です。インターンシップを通じて、学生が実際に現場に触れ、働くイメージを持てることは、将来のキャリア選択に大きな影響を与えます。たとえ福祉の仕事を選ばなかったとしても、関心を持ち続けてもらうことが、福祉業界にとって大きな意味を持ちます。
今後、花の村ではインターンシップの受け入れを強化し、福祉に興味があるかどうかに関わらず、多くの学生に「福祉の現場を知るきっかけ」を提供していきます。私たちの仕事を知ってもらい、未来の可能性を広げることが重要です。花の村全体で次世代の担い手を育てていきましょう。
【「面倒くさいこと」こそ大事】
『世の中の大事なことってたいてい面倒くさいんだよ』
これは、映画監督・宮崎駿さんが「プロフェッショナル〜仕事の流儀」で語った言葉です。彼がこの言葉を発したのは『崖の上のポニョ』を制作しているときのこと。当時70歳だった宮崎さんは、紙とペンを使いながら構想を練り続け、その作業の大変さに「面倒くさい」を連発していました。しかし「世の中の大事なことってたいてい面倒くさいんだよ」と言い、面倒くさいことと向き合うことで名作が生まれたのです
仕事をしていて「面倒くさいなあ」と感じることは誰でもあるでしょう。でもそれは大事なことに向き合っている証拠です。そんなときこそ投げ出さず、丁寧に行動する必要があると考えてください。「世の中の大事なことってたいてい面倒くさいんだよ」は奥の深い言葉です。
【問題を解決する人か、予防する人か】
「前さばき」がうまい人と「後さばき」がうまい人がいる話を、村上直人著『「叱れば人は育つ」は幻想』で読みました。「後さばき」がうまい人とは、問題処理能力が高く、トラブルが発生したときに迅速に対応し、すぐに解決へ導く人のこと。消防士のように、起きた火事を的確に消し止める役割を果たします。一方、「前さばき」がうまい人は、プロジェクトの重要なポイントを見極め、事前に根回しや対策を打つことで問題を未然に防ぐことに長けています。つまり、火事が起こらないようにする役割を担っています。みなさんはどちらのタイプでしょうか?
「後さばき」がうまい人は目立ちやすく、「頼りになる!」と評価されやすいですが、「前さばき」がうまい人はその努力が見えにくいものです。問題を事前に防いでいるからこそ、「あの人は楽な仕事をしている」と誤解されがちです。しかし、組織全体を長期的に安定させるには、問題が発生してから対応するよりも、発生しないように準備しておく方が効果的です。もちろんどちらの能力も大切ですが、「前さばき」を意識できているかどうかで、仕事は大きく変わります。仕事の中で「前さばき」をどのくらい意識していますか? ぜひ、一度振り返ってみてください。